アクション
ベット
そのラウンドで、まだ誰も賭けていないときにチップを賭けること。すでにあるベット額を引き上げるアクションはレイズです。
レイズ
すでに出ているベットより、そのラウンドの合計額を増やすことです。BBが200点なら、プリフロップの最初のレイズは最低400点です。
大切なのは、ルール上の最低額と、利益を狙えるサイズを分けることです。小さすぎるリレイズは相手に割安なコールを与え、人数を絞れず、強いハンドで得られる利益も小さくなりがちです。相手のコールレンジ、ポジション、参加人数、エフェクティブスタックを見て額を選びます。
最低額の計算は「現在の最高額+直前のレイズの増加分」。400点から1,200点に上がれば、次は2,000点以上です。これはルール上の下限であり、2,000点を推奨する意味ではありません。MTTの2 BBオープンと、その後の3bet・4betは分けて考えましょう。必要額に届かないオールインは通常のレイズと異なり、すでにアクションした人のリレイズ権が戻らない場合があります。
コール
相手の賭け額と同額になるよう、必要な差額を出すこと。
コールドコール
プリフロップで、まだ自分からチップを出して参加していないプレイヤーが、他の人のレイズにコールして参加することです。例:UTGが2.5BBにオープンし、初めてアクションするCOが2.5BBをコールします。オープンと3betが入った後に第三者がコールする場合も含みます。ブラインドから守るコールや、自分のオープンへの3betにコールする場合とは区別します。後ろのスクイーズや元のレイザーの4betを受ける可能性があるため、ポジション・サイズ・残り人数も確認します。
チェック
追加で支払う必要がないとき、賭けずに次へ回すこと。
チェックインザダーク
次のボードが開く前に、そのラウンドのチェックのアクションを行うことです。たとえばプリフロップのアクションが終わった後、フロップで最初にアクションする人が、3枚を見る前に卓をコンコンとたたいてチェックする場面です。
あえてボードに出るカードを見ずにチェックすることで、自信があるように見せたり、相手の出方を牽制したりする意図があります。ただし、ボードを見てからベットする機会を自ら手放します。強いハンドもチェックレンジに残せますが、カードを確認してから通常のチェックを選ぶことでも同じ目的を狙えるため、入門者はボードを見て判断する習慣をつけましょう。
フォールド
そのハンドのポットを争う権利を放棄すること。
オールイン(プッシュ/ジャム)
残りチップをすべて賭けること。ベット・レイズだけでなく、コールで残りチップをすべて出す場合もオールインです。すでに出した額も含めて、そのラウンドの総額を確認します。
プッシュ(Push):オールインすることを表す呼び方。特に「10BBでプッシュ」「Push or Fold」のように、ショートスタックの戦略説明でよく使いますが、ショートスタックやプリフロップだけに限定される言葉ではありません。
ジャム(Jam):オールインすることを表す口語的な呼び方。「リバーでジャムする」「3betジャム」のように使われ、会話・実況だけでなく戦略解説でも登場します。
プッシュとジャムは、いずれも主に自分からオールインのベットやレイズをする意味で使います。「プッシュは戦略用語、ジャムはスラング」と厳密に分かれているわけではなく、呼び方によってルールやハンドの強さが変わるものではありません。
例:BTNで先行参加者がなく、残り10BBをすべて賭けるなら「10BBでオールイン/プッシュ/ジャム」。相手のオールインに残りチップ全部で応じる場合は「オールインにコール」と言うと、アクションが明確です。
チェックコール
同じラウンドで、自分がチェックした後、相手のベットにコールすること。
例:BBのあなたが、フロップは。BTNとの1対1で、ポット6BBに対して「自分がチェック → BTNが2BBベット → 自分が2BBコール」と進みます。
トップペアなど、コールできる強さはある一方、レイズすると弱いハンドを降ろし、強いハンドばかりにコールされやすい場面で有効です。相手のブラフを残し、レイズするよりポットを抑えながら戦えます。特に、広いハンドでベットする相手に使いやすい対応です。
相手のハンドの範囲やベット額によって判断は変わります。トップペアなら最後まで必ずコールする、という意味ではありません。
チェックレイズ
同じラウンドで、自分がチェックした後、相手のベットにレイズすること。
例:BBのあなたが、フロップはでセット。BTNとの1対1で、ポット6BBに対して「自分がチェック → BTNが2BBベット → 自分が8BBへレイズ」と進みます。8BBは追加額ではなく、自分がそのラウンドで賭ける総額です。
セットなどの強いハンドで、相手のトップペアやドローから多くのチップを得たい場面に有効です。また、でボードがなら、フラッシュ完成の可能性を持ちながら相手を降ろすセミブラフとして使うこともあります。
チェックに対してよくベットする相手ほど機会があります。相手もチェックするとレイズできず、次のカードを無料で見せることになるため、相手・ボード・スタックに応じて使います。サイズは練習例です。
チェックバック
相手のチェックを受け、後からアクションする自分もチェックすること。チェックビハインドとも呼びます。1対1では、そのラウンドのベットが終了し、フロップ・ターンなら次のカードへ、リバーならショーダウンへ進みます。
例:BTNのあなたが。リバーまでのボードはで、BBがチェックしました。相手にやAハイがある一方、ベットするとそれらはフォールドし、KやJのペアばかりにコールされそうなら、チェックバックしてショーダウンバリューを活かす判断が有効です。勝てるハンドを根拠なくブラフに回さず、追加のリスクを抑えられます。
別の例:で、フロップ、ターン。相手がチェックし、ベットしてもあまり降りそうにない場合、チェックバックして追加のチップを賭けずにリバーを見る選択肢があります。ドローがあるから必ずセミブラフする、という意味ではありません。
弱いハンドからコールをもらえるならベットも検討します。フロップ・ターンのチェックバックは相手にも無料で次のカードを見せるため、ボード・相手のレンジ・人数を踏まえて判断します。
リンプ
レイズせずにBBの額へそろえて参加すること。SBなら通常0.5BBを追加します。
オープン(2bet)
プリフロップで最初にレイズすること。BBを1betと数えるので、オープンは2betに当たります。
3bet(スリーベット)
オープンに対するリレイズ。3倍のサイズという意味ではありません。
4bet(フォーベット)
3betに対するリレイズ。
5bet(ファイブベット)
4betに対するリレイズ。100BBの例ではオールインになることが多いですが、言葉自体がオールインを意味するわけではありません。
ライト3bet
強いハンドだけに絞らず、相手を降ろす狙いも持って行う3bet。例:広くオープンし、3betによく降りるCOに、BTNからs()でリレイズ。Aで相手の・の組み合わせを減らせます。「ライト」は小さいサイズという意味ではありません。
ライト4bet
強いハンドだけに絞らず、相手を降ろす狙いも持って行う4bet。例:BTNでオープン後、広く3betし4betにはよく降りるBBに、s()や状況次第でo()でリレイズ。これらは常に4betするハンドではなく、ポジション・相手・スタックで判断します。
ライト5bet
相手を降ろす狙いを含む5bet。4betにブラフが多く、5betには降りすぎるなどの根拠が必要です。単に参加頻度が高い相手だから使える、という意味ではありません。
スチール
主に、先行参加者がいないCO・BTN・SBからレイズし、残った相手を降ろしてブラインドやアンティを獲得する狙い。
例:BTNまで全員フォールド。で2.5BBにオープンし、SB・BBが降りれば、SBの0.5BB+BBの1BB+アンティ1BB=2.5BBを、フロップを見ることなく獲得できます(自分が出した2.5BBは戻ります)。
トーナメントでは、待っている間もブラインドやアンティでチップが減り、時間とともにブラインド額も上がります。強いハンドを待つだけでなく、相手が降りやすい場面を選んで小さなポットを積み重ねることが重要です。
後ろの相手がよくコール・3betする場合は、ハンドや頻度を調整します。どんなハンドでも毎回レイズする戦略ではありません。
アイソレート
レイズしてほかの人を降ろし、狙った相手と1対1でプレイすることを目指す打ち方。特に、リンプした相手へのレイズを指して使います。例:COが1BBでリンプし、BTNのあなたがs()で合計4BBへレイズ。SB・BBが降り、COだけがコールすれば、ポジションを有利にして1対1で戦えます。必ず1対1になるわけではありません。4BBは練習例で、人数や相手に応じてサイズを調整します。
スクイーズ
オープンに1人以上がコールした後で行う3bet。例:HJが2.5BBにオープン、COが2.5BBをコール。その後、BTNのあなたが()で合計11BBへリレイズします。強いハンドでポットを大きくしたり、相手を降ろしてすでに集まったチップを取ったりする狙いがあります。11BBは練習例で、ポジション・人数・スタックに応じて調整します。
ディフェンス
相手のベットやレイズに対して、コールやリレイズで対応すること。BBのディフェンスなら、相手のオープンに対するコールや3betなどです。
ハーフポットベット
ベット前のポットの50%(半額)を賭けることです。例:ポット20 BBに10 BBをベット。
基準は、そのベットをする直前のポットです。相手が10 BBをベットした後の30 BBを基準にするのではありません。
1対1で通常どおり10 BBをコールするなら、コール後のポットは40 BB。必要勝率は10÷40=25%です。追加の支払い・サイドポット・レーキなどがある場合は別に考えます。
ポットベット
ベット前のポットの100%(同額)を賭けることです。例:ポット20 BBに20 BBをベット。
1対1で通常どおり20 BBをコールするなら、コール後のポットは20+20+20=60 BB。必要勝率は20÷60=約33.3%です。追加の支払い・サイドポット・レーキなどがある場合は別に考えます。
ベットサイズの名称です。どんな場面でもポットと同額を賭けるのがよい、という意味ではありません。
オーバーベット
ベット前のポットの100%を超える額を賭けることです。例:ポット20 BBに30 BBなら、150%のオーバーベット。125%・150%・200%など、ポットとの比率で表します。
強いハンドでバリューを取る場合にも、相手を降ろすブラフにも使われます。大きいベットだからブラフ、と決めつけず、相手のレンジ・ボード・残りスタックを確認しましょう。
1対1で30 BBを通常どおりコールするなら、コール後のポットは20+30+30=80 BB。必要勝率は30÷80=37.5%です。追加の支払い・サイドポット・レーキなどがある場合は別に考えます。
バリュー(バリューベット)
自分より弱いハンドにコールしてもらい、利益を狙うこと。ベットだけでなく、バリューを狙うレイズもあります。例:で、相手のより弱いペアからチップを得る。
ブラフ(ピュアブラフ/セミブラフ)
相手の、自分より強いハンドを降ろすことを狙うベットやレイズ。成功には相手が降りる見込みが必要です。
【ピュアブラフ】コールされたときに勝つ見込みがほとんどなく、相手を降ろすことを狙うブラフ。例:ハンド、リバーまでのボードでベットし、相手のワンペアなどを降ろそうとする場面。もうカードは増えないので、ハンドが改善する可能性はありません。実行するかは相手のレンジや、それまでのアクションで判断します。
【セミブラフ】今は強い役がなくても、後のカードで強い役に発展する見込みを持って行うブラフ。例:ハンド、フロップでベット。相手を降ろす狙いに加え、コールされてもスペードを引いてフラッシュで勝つ可能性があります。ドローがあるだけで必ずベットすべき、という意味ではありません。
違いは、コールされた後にカードが増えて、強い役へ改善する見込みがあるかどうかです。リバーでは次のカードがないため、ドローの完成を期待するセミブラフはできません。どちらも、相手のどのハンドをフォールドさせたいのかを考えて使います。
ポラライズ(ポラライズド)
強いバリューハンドとブラフ候補を中心にし、中程度のハンドをあまり含めないレンジの形です。例:リバーでポットの1.25倍を打つなら、ナッツ級の役と、強いコールを減らすブロッカーを持つブラフを組み合わせる考え方です。中程度のワンペアまで大きく打つと、弱いハンドは降り、強いハンドだけにコールされやすくなります。
ポラーベット
強いバリューとブラフを主に同じサイズで打つベット。通常はポットの75%以上など、大きめのサイズで表れやすいです。例:リバーのポット10BBに12BBを賭けるとき、フルハウスなどの強い役と、ナッツ級フラッシュを減らすブロッカーブラフを組み合わせます。「大きく打てば強い」という意味ではなく、相手のレンジ上限と自分のバリュー・ブラフの両方が根拠です。
コンティニュエーションベット(CB)
前のラウンドでベットやレイズをした側が、次のラウンドでもベットすること。特に、プリフロップのレイザーがフロップで打つベットを指します。強いハンドのバリューもブラフもあり、オープンしたから必ず打つものではありません。
ダブルバレル
フロップでベットしてコールされた後、ターンでもベットすること。プリフロップのレイザーがフロップでCBを打ち、ターンでもベットする流れが代表例です。バリューでもブラフでも使います。
例:BTNでをオープンし、BBがコール。フロップがで、BBのチェックにベットしてコールされました。ターンのでも、BBのチェックにベットするのがダブルバレルです。相手の弱いKなどからコールをもらうバリューを狙えます。
ブラフで使う場合は、ターンのカードが自分のレンジに有利か、相手がどのハンドをフォールドするかを考えます。「フロップで打ったから」と自動的にベットせず、ショーダウンバリューがあるハンドならチェックも検討します。
トリプルバレル
フロップとターンのベットをコールされた後、リバーでもベットすること。フロップ→ターン→リバーの3回にわたるベットで、バリューでもブラフでも使います。
例:BTNでをオープンし、BBがコール。フロップが、ターンが、リバーが。各ラウンドでBBがチェックし、こちらがフロップ・ターンとベットしてコールされた後、リバーでもセットでベットするのがバリューのトリプルバレルです。相手のKのペアやツーペアなどからコールをもらえる額を考えます。
ブラフなら、ここまでコールした相手のレンジから、どの強いハンドをフォールドさせられるかが重要です。リバーではドローが改善する次のカードはなく、追加のリスクも大きくなります。「2回打ったから3回目も打つ」と決めつけず、相手の傾向・ベット額・ショーダウンバリューを確認しましょう。
ドンクベット
代表例は、プリフロップで相手の最後のレイズにコールした側が、フロップでそのレイザーより先にベットすること。
例:BTNが2.5BBにオープン → BBがコール → フロップでBBからベット。このBBの先打ちがドンクベットです。複数人がコールした場合も、誰が最後にコールしたかではなく、最後にレイズした相手より先に打ったかで考えます。
ターン・リバーでも、直前のラウンドで相手のベットやレイズにコールし、次のラウンドでその相手より先に打てばドンクベットです。直前のラウンドが双方チェックなら、次の先打ちはプローブベットとして区別します。
正しいアクション順で行うベットであり、順番を飛ばす行為ではありません。常に悪い打ち方という意味でもなく、ボードと両者のレンジの相性から使いどころを考えます。
リードベット
ポストフロップで、相手より先にアクションする側(OOP)から先に打つベットの呼び方。特に、前のラウンドで攻撃側ではなかった人の先打ちを指します。
「リード」は先打ちを表し、「ドンク」は直前のラウンドでベット・レイズした相手より先に打つ、という条件を加えた呼び方です。ドンクもリードの一種で、まったく別のアクションではありません。
例:BTNのオープンにBBがコールし、フロップでBBから打つ → リードであり、ドンクでもあります。フロップはBB・BTNともチェックし、ターンでBBから打つ → これもリードですが、この流れではプローブと呼びます。
先打ちという形だけで、バリューかブラフか、よいプレイかどうかは決まりません。
プローブベット
入門では、オリジナルレイザーがフロップでCBを打たずにチェックバックした後、次のストリートでOOP側が先に打つベットを指します。
例:BTNがオープン → BBがコール → フロップはBBがチェック、BTNもチェック → ターンでBBからベット。このターンの先打ちがプローブベットです。
違いは、直前のラウンドで相手が打ったかどうか。相手のベットにコールした後の先打ちはドンク、相手がチェックバックした後の先打ちはプローブです。
強いハンドでコールをもらうバリューにも、弱いハンドを降ろすブラフにも使います。「チェックしたから弱い」と断定せず、相手に残るペア・ドロー・スロープレイと、次のカードの影響を考えます。
レンジベット
強い手だけではなく、その場面で持ち得るレンジ全体を小さくベットに回す考え方。厳密には全ハンドで打つことを指し、実戦では「ほぼ全体を打つ」簡略化もこの名前で説明されます。
代表例:UTGが2.2BBにオープンし、BBがコール。フロップは 。UTGには・・・・など、BBよりAやQを含む強いハンドが多くあります。そこでUTGは、強いAやセットだけでなく、のようなアンダーペアもポットの〜33%でベットする選択を持てます。単体が強いからではなく、UTGのレンジ全体がこのボードで優位だからです。強い手と同じ小さいベットにを混ぜることで、BBの弱い8x・小ポケット・ノーヒットにも圧力をかけられます。
ただし、これは考え方を示す代表例です。実際の頻度はスタック、人数、ボードのスート、相手の守り方で変わります。「小さく打つ=必ずレンジベット」でも、「この場面では必ず全ハンドで打つ」でもありません。
ブロックベット(ブロッカーベット)
主に先にアクションする側が、中程度のハンドなどで小さく打つベット。弱いハンドから薄いバリューを取りつつ、相手に大きく打たれる展開を減らす狙いがあります。特にリバーで使うことがあります。
相手にはレイズする権利があるため、安くショーダウンできる保証はありません。小さく打つ目的、レイズへの対応、同じサイズに強いハンドも含めることを考えます。相手の特定のハンドを減らす『ブロッカー』というカードの効果とは区別します。
ミニマムレイズ
ルール上認められる最小額のレイズです。『現在の最高額+直前のレイズの増加分』で求めます。BB100→レイズ300なら、次の最低額は500。自分がすでに出した額は、追加で払うチップを計算するときに差し引きます。
小さすぎるリレイズは相手が安くコールでき、人数を減らしにくくなります。強いハンドでも、大きい額を払ってくれる相手から十分なバリューを取れない場合があります。特に深いスタックでの3betを、理由なく最小額にするのは避けましょう。
ただし『ミニマムレイズは常に悪い』は誤りです。MTTの2 BBオープンや浅いスタックなど、合理的な場面もあります。最初のオープンと、その後のリレイズを分け、位置・人数・深さ・相手に合わせます。
ポジション
ポジション
ボタンを基準にした座席とアクション順。プリフロップとフロップ以降では順番が違います。後にアクションできるほど相手のアクションを見て判断できます。
ヒーロー
ポーカーの解説で、自分のハンドや自分の判断を指す呼び方。ハンドレビューでは、分析する側のプレイヤーをヒーローと呼びます。
ヴィラン
ポーカーの解説で、ヒーローの相手を指す呼び方。特定の対戦相手を一人選んで、そのハンドやレンジを考えるときに使います。相手が複数いる場合も、主に分析する相手をヴィランと呼びます。
アーリーポジション
この教材の8人卓ではUTG・UTG+1。プリフロップで早くアクションし、後ろに多くの人が残るため、オープンする範囲を絞るのが基本です。UTG対BBのように、アーリーポジションでもフロップ以降はIPになる場面があります。
UTG・UTG+1
UTGはUnder the Gun。通常、プリフロップで最初にアクションする、BBの左隣のポジションです。UTG+1はその次、UTG+2はさらにその次を指します。この教材では6人卓をUTG・HJ・CO・BTN・SB・BB、9人卓をUTG・UTG+1・UTG+2・LJ・HJ・CO・BTN・SB・BBと表示します。卓人数によってUTGの後ろに残る人数が変わるため、同じレンジとは限りません。
ミドルポジション
この教材の8人卓ではMP(LJに相当)・HJ(ハイジャック)。呼び方には流派差があります。
MP・LJ・HJ
MPはミドルポジション、LJはロージャック、HJはハイジャック。BTNから数えてCOの1つ前がHJ、さらに1つ前がLJです。本教材の8人卓ではUTG・UTG+1・LJ・HJ・CO・BTN・SB・BBの順。基準資料のMPをLJと表示しています。
PokerLiftでは6人卓の先頭をUTG、5人卓の先頭をHJ、4人卓の先頭をCOと表示します。5人卓のHJや4人卓のCOは、その卓で最初にアクションする席です。3人卓はBTNが最初にアクションし、2人卓はBTNを兼ねるSBが最初にアクションします。
レイトポジション
この教材ではCO(カットオフ)・BTN(ボタン)。自分の番までに多くの相手がアクションし、先行参加者がいなければ広くオープンしやすいポジションです。BTNはフロップ以降、最後にアクションできます。COはBTNとの2人ならOOPなので、レイトポジション=常にIPではありません。
CO・BTN
COはカットオフで、BTNの1つ前。BTNはボタン(ディーラーポジション)で、フロップ以降は最後にアクションできます。どちらもレイトポジションです。
SB・BB
スモールブラインドとビッグブラインド。3人以上の卓では、SBはフロップ以降いつも先にアクションし、SB対BBならBBが後にアクションします。2人卓のヘッズアップではSBがBTNを兼ねるため、SB / BTNがプリフロップで先、フロップ以降は後にアクションします。残った2人がSBとBBという場面と、最初から2人だけに配るヘッズアップは区別します。
インポジション(IP)
In Position。フロップ以降、相手より後にアクションする関係。相手のチェックやベットのサイズを見てから判断でき、ポットの大きさを調整しやすくなります。例:UTG対BTNではBTNがIP。UTG対BBならUTGがIPです。座席の分類であるアーリー/レイトとは区別します。
アウトオブポジション(OOP)
Out of Position。フロップ以降、相手より先にアクションする関係。相手のアクションを見る前に判断するため情報が少なく、チェックしても相手のベットに対応する可能性が残ります。例:BTN対BBではBBがOOP。COはレイトポジションでも、BTNとの2人ならOOPです。
オリジナルレイザー(オリジナル)
プリフロップで最初にレイズ(オープン)した人。例:UTGが2.5BBにレイズし、BTNがコールしたら、UTGがオリジナルです。オープン時のレンジには・・などの強いハンドも含まれ、一般にUTGでは狭く強め、BTNでは広くなります。ただし、常に強いハンドを持つわけではなく、フロップ以降の有利・不利はボードと相手のレンジ次第です。なお、最初にレイズした人と、最後にレイズした人は区別します。UTGのオープンにBTNが3betした場合、オリジナルはUTG、最後のレイザーはBTNです。
コーラー
相手のベットやレイズにコールしたプレイヤー。先行コーラーは、自分の番より前にコールしている人を指します。
ポットとチップ
ポット
そのハンドで中央に集まっているチップの総額。
BB(単位)
BBはBig Blind(ビッグブラインド)。単位としては強制ベット1回分のチップで、1BBが100点なら10BBは1,000点です。座席名としてのBBは、プリフロップで通常最後にアクションするブラインドのポジションを指します。
アンティ
ブラインドとは別にポットへ出す強制拠出。コール額の一部には数えません。BBが全員分をまとめて出す方式をBBアンティと呼びます。
BBアンティ
BBの人が通常のブラインドとは別に、全員分をまとめて出す強制拠出。本教材では1BBです。
サイズ
ベットやレイズの大きさ。「合計8BB」と「8BB追加」を区別します。
スタック
プレイヤーが持っているチップ。残りスタックは、現在まだ賭けていないチップを指します。
エフェクティブスタック
2人で争う場合に賭け合える上限となる、少ない側のスタック。例:自分50BB、相手30BBならエフェクティブスタックは30BBです。3人以上では相手ごとに賭け合える額が異なり、サイドポットが生じることもあります。
ディープスタック(ビッグスタック)
ディープスタックは、BBに対して残りチップが多く、深い状態を指します。たとえばBB200で20,000点なら100 BB。固定の境界はありませんが、複数のラウンドでベットする余地があります。
ビッグスタックは、同卓やトーナメントの他の参加者より多くのチップを持つ状態。似た場面で使いますが、ディープスタックと完全な同義語ではありません。平均10 BBの卓で30 BBならビッグスタックでも、100 BBの深さはありません。
自分が100 BBでも相手が15 BBなら、その相手とのエフェクティブスタックは15 BBです。深い勝負ではポジションや強い役へ発展するハンドの価値が増す一方、ワンペアで全チップを失わない慎重さも必要です。
ショートスタック
ブラインドに比べて残りチップが少ない状態。厳密な一律の境界はありませんが、本教材のレンジは約15BB・約10BB・約5BB以下を目安にしています。残りスタックによって、プッシュ・通常レイズ・コール・リンプの使い分けが変わります。
SPR
Stack-to-Pot Ratio。残りのエフェクティブスタックをポットで割った値。例:残り8BB、ポット5.5BBなら約1.45。低いほど、少ない回数のベットでオールインに近づきます。
ハンドとボード
ハンド
プレイヤーのカードや、その組み合わせ。本教材では主に配られた2枚を指します。「1ハンド」は配札からポット決着までの1回の勝負を意味することもあります。
スート・スーテッド・オフスート
スートは♠・♥・♦・♣のマーク。同じスートの2枚がスーテッド(s)、違うスートの2枚がオフスート(o)です。
どちらもスペード。
どちらも黒ですが、スペードとクラブは異なるスートです。
s・o・T・+
sは同じマーク、oは異なるマーク、Tは10。+は〜、s+はs〜sです。
sはスーテッド。
oはオフスート。色ではなくスートで区別します。
TT+はTT・JJ・QQ・KK・AAという意味です。
コネクター
数字が隣り合う2枚の開始ハンドです。例:、、。o(・)は異なるスートのオフスート・コネクター、s(・)は同じスートのコネクターです。ストレートへ発展しやすい形ですが、数字の高さ、スート、ポジション、スタックによって価値は変わります。
ランクが隣同士。スートは異なります。
Jの次は10。Tは10の略記です。
9と8も隣同士。こちらは同じスートです。
スーテッドコネクター
数字が隣り合い、さらに同じスートである2枚の開始ハンドです。例:・はs。ストレートとフラッシュの両方へ発展する可能性があります。ただし、低いワンペアでは上のペアに負けやすく、スーテッドコネクターだから必ず参加できるわけではありません。ポジション、前のアクション、スタックを確認します。
隣り合う6と5が、どちらもクラブ。ストレートとフラッシュへの発展を狙える形です。
ギャッパー
2枚の数字の間が1つ以上空いている開始ハンドです。間にあるランクの数で呼び方が変わります。
ワンギャッパー:o(QとTの間にJが1つ)。
ツーギャッパー:s(Jと8の間に10・9が2つ)。
スリーギャッパー:s(Tと6の間に9・8・7が3つ)。
一般に間隔が広いほどストレートへ発展しにくくなります。同じギャッパーでも、同じスートか、数字の高さ、ポジション、スタックによって参加価値は変わります。
Qと10の間にJが1つ。点線は持っていない、間のランクです。
Jと8の間に10・9の2つ。
10と6の間に9・8・7の3つ。ボードや完成した役ではなく、ランクの間隔を示しています。
レンジ
持っている可能性のあるハンドの集合。相手を1つのハンドに決め打ちしません。
プレミアムハンド
特に強い開始ハンドの呼び方。本教材の目印は・・・s・o。相手やスタックに関係なく必ずオールインする、という意味ではありません。
最も強い開始ハンド。それでも毎回勝てるわけではありません。
高いカード2枚が同じスート。まだペアではありません。
トラッシュハンド
一般に、数字が低く離れていてマークも異なるなど、強い役を作りにくい弱い開始ハンドの俗称。例:o()、o()。多くの場面ではフォールドが基本ですが、BBで追加の支払いが不要ならチェックできます。厳密に決まったハンド一覧がある用語ではありません。
ポケットペア
配られた2枚のハンドが同じランクのペアであること。例:は・、は・です。スートは必ず異なります。
52枚から無作為に2枚が配られる通常のホールデムでは、最初の1枚と同じランクは残り51枚中3枚。どのポケットペアでもよければ3÷51=約5.88%(平均17回に1回)と、毎回手に入るものではありません。
など特定のランクに限ると6÷1,326=約0.45%(平均221回に1回)。この平均間隔で必ず配られるという意味ではありません。PokerLiftの推奨ハンド出現率を変更した練習では、自然な配布確率と異なります。
希少でも、すべてのペアが同じ強さではありません。高いペアほどプリフロップで強く、フロップ以降はボードや相手のアクションで価値が変わります。入門教材『参加するハンドと、降りる判断』の4種類のハンドでも確認できます。
どのポケットペアでもよければ約5.88%(平均17回に1回)。JJなど特定のペアは約0.45%(平均221回に1回)。
ブロードウェイ
10・J・Q・K・Aの高いカード。ブロードウェイハンドは、この高いカード2枚の組み合わせを指します。また、10JQKAのAハイストレートもブロードウェイと呼びます。
ボード(コミュニティカード)
全プレイヤーが共通で使える、卓の中央に開かれる5枚のカードです。フロップで3枚、ターンで1枚、リバーで1枚の順に開かれます。自分のハンド2枚と合わせ、最強の5枚を作ります。
ドライなボード
スートや数字のつながりが少なく、ドローが比較的限られるボード。例:。強いハンドがないという意味ではなく、セットやツーペアはあり得ます。ドライでも相手のレンジや人数によってベットの判断は変わります。
ウェットなボード
フラッシュやストレートのドロー、すでに完成した強い役が多く考えられるボード。例:。ターンのカードでハンドの強さが変わりやすくなります。ウェットだから必ず大きくベットするわけではありません。
レインボーボード
フロップなどのボードで、カードのスートがすべて異なる状態です。例:・・。フロップ時点で通常のフラッシュドローはありませんが、ターンとリバーの両方で同じスートが出るバックドアの可能性はあります。
ツートーンボード
フロップ3枚のうち2枚が同じスートのボードです。例:・・。同じスートを2枚持つ相手にはフラッシュドローがあり、ターン以降の同スートのカードでフラッシュが完成します。
モノトーンボード
フロップ3枚がすべて同じスートのボードです。例:・・。スペードを2枚持つ人はすでにフラッシュ、1枚だけならフラッシュドローです。ターン以降にボードが同じスート4枚になれば、そのスート1枚のハンドでもフラッシュを作れます。より高いランクの同スートを持つ相手に注意します。
ブロードウェイボード
A・K・Q・J・10という高いランク(ブロードウェイカード)が多く含まれるボード。典型例は・・のフロップです。すべてのカードが高い例を指すこともあり、何枚以上という厳密で共通の境界はありません。
高いカードで参加したハンドにペアや強いドローができやすく、プリフロップのレンジとの相性が重要です。『ブロードウェイ』単独ではA・K・Q・J・10のAハイストレートを指すこともありますが、このボードが出ただけで全員にストレートがあるわけではありません。
A・K・Q・J・10がブロードウェイカード。この例ではJ・10を持つ人はAハイストレートですが、全員がストレートとは限りません。
トップペア・オーバーペア
トップペアはボードの一番高い数字とハンドで作るペア。オーバーペアは、ボードのどの数字よりも高いポケットペアです。
オーバーカード
比較しているペアやボードの数字より高いカード。例:に対するAやK、ボード9・6・2に対するハンドのQなど。単に高いカード全般を指すブロードウェイとは区別します。
ボードの最高ランクを上回るカードがハンドに1枚ならワンオーバー、異なる2つのランクがともに上回るならツーオーバーと呼びます。
ワンオーバー
ボードの最高ランクより高いカード(オーバーカード)が、ハンドに1枚ある状態です。例:ハンドが、フロップがなら、Jより高いのはAだけなのでワンオーバーです。
次にAが出ればトップペアになりますが、それだけで相手に勝てるとは限りません。両方のランクがボードの最高ランクを上回る状態はツーオーバーと呼びます。相手のペアなどと比較して使う場合もあるので、何に対して高いのかを確認しましょう。
高いカードが1枚なのでワンオーバー。
Aがヒットすればトップペア。ただし勝ちが確定するわけではありません。
ツーオーバー
ハンドの異なる2つのランクが、どちらもボードの最高ランクより高い状態です。例:ハンドが、フロップがなら、AとQの両方がJより高いためツーオーバーです。
この例ではA・Qの残りは計6枚で、どちらかが出ればトップペアになります。ただし相手がツーペア以上を持つ場合や、そのカードで相手も強くなる場合があり、6枚すべてが勝てるアウツとは限りません。1枚だけ上回る状態はワンオーバー、のような高いポケットペアはオーバーペアと呼びます。
異なる高いランクが2つなのでツーオーバー。
残るA・Qは計6枚。ヒットしても勝てるかは相手のハンド次第です。
ドロー
あとに出るカードで、フラッシュやストレートなどが完成する可能性がある状態。フラッシュドローは同じスートがあと1枚でフラッシュになる状態、ストレートドローはあと1枚でストレートになる状態です。完成が保証されるわけではありません。
バックドア
フロップ時点では、完成までターンとリバーの2枚が続けて必要なドローです。例:・を持ち、ボードが・・なら、ターンとリバーの両方でスペードが出ればフラッシュになります。完成率は低いため、通常の1枚で完成するドローとは分けて考えます。
モンスタードロー
フラッシュドローとストレートドローのように、強い完成候補が複数重なったドローです。例:・を持ち、ボードが・・なら、8またはKでストレート、ハートでフラッシュが完成します。重なるカードは二重に数えず、完成しても相手の強い役に負けないかを確認します。
ランナーランナー
ターンとリバーの両方で必要なカードを引き、役を完成させること。また、そのような2枚連続の助けが必要な状態です。バックドアとほぼ同じ意味で使います。
例:ハンドが・、フロップが・・。ターンに、リバーにが出ると、2枚連続のハートでフラッシュが完成します。ターンだけ、またはリバーだけにハートが出ても完成しません。
フロップですでにハートが4枚そろい、あと1枚で完成する通常のフラッシュドローとは異なります。2枚とも必要なので、通常のドローより完成しにくい点に注意します。
フロップから残り2枚ともハートが必要な例です。
ハンドと合わせてハートは3枚。次の1枚だけではフラッシュは完成しません。
2枚連続でハートが出て、A♥・K♥・J♥・7♥・4♥のフラッシュが完成しました。
オープンエンド
ストレートの両端どちらかのランクが出ると完成するストレートドローです。例:ハンドが8・9、ボードが6・7・Kなら、5で5〜9、10で6〜10のストレートが完成します。通常は5が4枚、10が4枚の計8アウツ。フロップからリバーまで2枚とも見られる場合の単純な完成確率は約31.5%、次の1枚だけなら約17%です。ただし、相手のフラッシュやより上のストレートに負けるカードは、勝てるアウツとして別に確認します。
ダブルベリー(ダブルガットショット)
ストレートが完成する内側のランクが2種類あるドローです。『ダブルベリーバスター』『ダブルガットショット』とも呼ばれます。例:ハンドが8・9、ボードがQ・10・6なら、7で6〜10、Jで8〜Qのストレートが完成します。通常は7が4枚、Jが4枚の計8アウツで、完成枚数はオープンエンドと同じです。ただし、見えているカード、フラッシュ完成の可能性、より上のストレートに負けるカードを確認します。
アウツ
引けば勝つ見込みが高まるカード。例:ハンドとボードを合わせて同じスートが4枚なら、そのスートの残りは通常9枚です。ただし、役が完成しても相手のより強い役に負けるカードは、勝てるアウツとして数えないようにします。
キッカー
同じ役どうしの強さを比べる補助のカード。
ドミネーション
例えば対のように、共通する数字が当たってもキッカーなどで不利になりやすい関係。
ブロッカー
自分のカードにより、相手が持てる特定のハンドの組み合わせを減らす効果。を持つと、相手の・・などが減ります。
プレイアビリティ
フロップ以降の判断や利益の取りやすさ。強い役やドローへの発展、ポジション、相手のレンジなどで変わります。
ショーダウンバリュー
相手をフォールドさせなくても、ショーダウンで勝ってポットを獲得できる見込みがあること。そのハンドが持つ「ハンドを見せ合って勝てる価値」を指します。特に、ベットして弱いハンドからコールをもらうには微妙でも、チェックで勝てる可能性があるハンドについて使います。
例:BTNのあなたがを持ち、リバーまでのボードが。BBがチェックしました。相手のレンジにやAハイなどがあれば、こちらもチェックしてショーダウンで勝てる可能性があります。
重要性:この場面で、弱いハンドはベットにフォールドし、KやJのペアなど強いハンドばかりにコールされるなら、ベットで得られる利益は乏しくなります。すでに勝てるハンドを、根拠なくブラフに回すのはもったいない判断です。チェックで得られる利益と比べましょう。
注意点:中程度のペアで無理にポットを膨らませず、相手のチェックにはチェック、ベットには額やレンジを見てコールを検討します。ただし、ショーダウンバリューがあるから必ずコールするわけではありません。
弱いハンドからコールをもらえるならバリューベット、強いハンドを十分にフォールドさせられるならブラフが有効な場合もあります。フロップ・ターンでは、相手のドローに無料で次のカードを見せる影響も考え、常にチェックと決めつけないことが大切です。
レンジアドバンテージ
相手よりレンジ全体の平均的な強さで優位にあること。例:UTG対BBのA・Kを含むボードでは、UTGに強いAやなどが多くなりやすい場合があります。自分のハンドが必ず勝っているという意味ではありません。
ナッツアドバンテージ
そのボードで最も強いハンドや、それに近いハンドを、相手より多く持ち得る優位性。レンジ全体の平均的な強さを表すレンジアドバンテージとは別です。正確な優劣は両者のレンジとボードから判断します。
ロイヤルフラッシュ
同じマークのA・K・Q・J・T(10)。
ストレートフラッシュの最高形です。
ストレートフラッシュ
同じマークで、5枚が連続。
いちばん上の数字が高いほうが勝ちます。
フォーカード(クワッズ)
同じ数字が4枚。クワッズとも呼びます。
4枚の数字を比較。ボードに4枚出て両者が同じフォーカードになる場合は、残り1枚(キッカー)を比較します。
フルハウス
同じ数字3枚と、別の数字2枚。
3枚組の数字を先に比較。同じなら2枚組を比べます。
フラッシュ
同じマークが5枚。
高い数字から順に比較。マーク自体の優劣はありません。
ストレート
5枚の数字が連続。マークは問わない。
いちばん高い数字で比較します。Aは通常は高い数字ですが、A・2・3・4・5では5の下側としても使えます。この形は5ハイで、最も低いストレートです。Q・K・A・2・3のように、Aをまたいで数字をつなぐことはできません。
スリーカード(セット/トリップス)
同じ数字が3枚。
3枚組の数字を先に比較。同じならキッカーを高い順に比べます。
セット・トリップス
どちらもスリーカード。セットはポケットペアの2枚とボードの1枚で作り、トリップスはハンドの1枚とボードのペアで作ります。どちらも役の分類はスリーカードで、呼び方だけで強さの上下が決まるわけではありません。ただし、トリップスはボードがペアになっているため相手に読まれやすい一方、セットはスリーカードになっていることが見えづらく、読まれにくい傾向があります。そのぶん相手のトップペアやツーペアから大きな利益を得られる可能性があります。トリップスでは、もう1枚のハンドがキッカーとして勝敗に関わることがあります。
ツーペア
2枚組が2つ。
高いペア、低いペア、残り1枚の順に比較。
ワンペア
同じ数字が2枚。
ペアの数字を先に比較。同じなら残り3枚を高い順に比べます。
ハイカード
上の役がない状態。
5枚を高い数字から順に比較。
ゲームの進行
プリフロップ
2枚のハンドが配られてから、最初の共通カード3枚が出るまでのラウンド。
ポストフロップ
フロップ以降のプレイ。フロップ・ターン・リバーでの判断をまとめて指します。
フロップ・ターン・リバー
共通カードの最初の3枚がフロップ、4枚目がターン、5枚目がリバー。各段階のベッティングラウンドも同じ名前で呼びます。
ヘッズアップ
2人で対戦すること。2人卓ではSBがBTNを兼ね、SB / BTNがプリフロップで先、フロップ以降は後にアクションします。多人数卓で2人だけがポットに参加している場合にも使う言葉ですが、その場合はBTNの場所とアクション順は元の座席どおりです。
マルチウェイ
3人以上でポットを争っている状態。ポストフロップでは、卓の定員ではなく、そのハンドに残っている人数を数えます。1対1より強いハンドが相手にある可能性が高まり、ブラフは相手全員をフォールドさせる必要があります。
ショーダウン
最後まで残ったプレイヤーがハンドを公開し、勝者を決めること。
スローロール
ショーダウンなどで自分の勝利が明らかなのに、わざとカードの公開を遅らせ、相手に勝ったと思わせたり、必要のない演出で待たせたりする行為。相手のオールインに絶対に負けないハンドを持ちながら、わざと長く悩むふりをする行為も含めて使われます。
相手への配慮を欠くマナー違反とされます。勝敗の確認や本当に必要な判断時間まで否定する言葉ではありません。強いハンドで戦略的にチェック・コールするスロープレイとは区別しましょう。
マック(Muck)
ハンドを伏せたままディーラーへ返すこと。捨てられたカードの集まりもマックと呼びます。フォールドするときは自分の番で、2枚を伏せて低く静かに前へ出します。参加・撤退したハンドを相手に知らせずに済みます。
ほかの全員がフォールドすれば、ショーせずポットを獲得できます。オールインのないショーダウンでも、ほかの全員が一度も公開せずマックし、自分だけ有効なハンドを保持していれば公開は不要です。勝者が確認されるまで自分のカードを守りましょう。
オールインにコールが入り、全員のベットアクションが完了したら、残る全員が2枚とも公開します。相手の役と比べて勝ちや引き分けを主張する場合も公開が必要。公開要求の扱いなどはTDA・会場ルールと運営の指示に従います。
チョップ
引き分けになり、ポットを分け合うこと(スプリットポット)。役の名前だけでなく、キッカーを含む最善の5枚の強さが同じ場合です。例:ボードにロイヤルフラッシュが完成すれば、ショーダウンに残った人で分けます。
ウォーク
BB以外が全員フォールドし、BBがそのままポットを獲得すること。
レーキ
キャッシュゲームなどで運営側がポットから徴収する手数料。レーキが大きいほど、小さな利益しか見込めないコールなどが不利になります。トーナメントの参加料とは区別します。本教材の100BB・2人卓の参照資料にはレーキがあります。各表の条件を確認してください。
リング戦
決められた時刻やハンド数まで、プレイヤーがチップを持ち込んで参加する形式。キャッシュゲームとも呼ばれ、チップがなくなっても追加購入して続けられる点がトーナメントとの大きな違いです。PokerLiftのリング戦は、最終スタックから累計持込チップを引いた純増減で順位を決めます。
アウトオブターン
自分の順番前にアクションをしてしまうこと。前のプレイヤーのアクションが変わらなければ、アウトオブターンのアクションが拘束される場合があります。例:前の人がまだ考えているのに「フォールド」と言うと、後の判断に情報を与えかねません。気づいたら自分で戻さず、すぐディーラーに伝えましょう。
エクスポーズ
ハンドが誤って表向きになる、または他のプレイヤーに見えてしまうこと。例:カードを拾い上げるときに1枚が滑って表を向いたら、そのまま隠さずディーラーに申告します。取扱いは会場ルールとディーラーの判断を優先し、特定の1人だけにハンドを見せないようにします。
クロック
長い考慮時間に対して、運営が残りの判断時間を設定すること。クロック要求は自分の席からディーラーへ『クロックをお願いします』と丁寧に依頼します。
2分程度は相談を考える学習上の目安であり、TDAに固定の待ち時間の規定はありません。十分な時間が経ったかは状況に応じて運営が判断します。TDA 2026ルール31では、認められた後は最大25秒+5秒のカウントダウンが基本。時間切れでベットに直面していればハンド無効、そうでなければチェックです。会場ルールと運営の判断を優先します。
ショットクロックは、各アクションの制限時間を最初から計る仕組み。延長用タイムバンクの有無なども会場によります。ブラインドの残りレベル時間を表示するトーナメントクロックとは別です。
トーナメント編『クロック要求』で依頼の流れを学べます。
トーナメント
TDA
Poker Tournament Directors Association(ポーカー・トーナメント・ディレクターズ協会)の略。ポーカートーナメントのルールや運営手順の共通化を進める団体です。国内外の多くのトーナメントで、TDAが定めたルールが採用されています。
採用する版や独自ルールは会場によって異なります。参加前に会場の案内を確認し、判断に迷ったらディーラーやフロア(運営責任者)へ確認しましょう。
MTT
Multi-Table Tournament。複数のテーブルで始まり、人数が減るとテーブルを統合するトーナメント。スタックや賞金構造により適切な戦略が変わります。
フリーロール
参加費(バイイン)なしで参加でき、賞金や賞品などを獲得できるトーナメント。会員資格・招待・参加券などの条件がある場合や、別途施設利用料・ドリンク代が必要な場合もあるため、募集要項を確認しましょう。
別の使い方として、ハンドの勝負で『負けることはなく、引き分け以上が確定し、自分だけが勝ち切る可能性を持つ状態』もフリーロールと呼びます。トーナメントの名称か、ハンドの状況かを文脈で区別します。
エントリー
トーナメントへ参加すること、または参加1回分の受付・参加費を指します。例:参加費5,000円+運営費500円のトーナメントへ1回参加するなら、1エントリーです。開始時に受け取るチップ量、受付終了時刻、参加費はトーナメントごとに確認しましょう。
リエントリー、リバイ、アドオンとは目的が異なります。最初に参加するのがエントリー、飛んだ後にもう一度参加するのがリエントリー、在席のままチップを追加する仕組みがリバイ/アドオンです。
リエントリー
一度チップが0になって脱落した後、決められた期間内に参加費を払い、同じトーナメントへ再び参加することです。新しい開始スタックを受け取り、空いている席へ着きます。例:レイトレジスト終了まで2回まで可能なトーナメントで、最初に飛んだ後にもう一度参加するなら1回のリエントリーです。
回数の上限、受付終了時刻、開始スタックはトーナメントごとに異なります。まだ脱落していない状態でチップを追加するリバイとは区別し、会場の案内を確認しましょう。
リバイ
指定されたリバイ期間に、まだトーナメントに参加しているプレイヤーが参加費を払い、チップを追加する仕組みです。例:開始スタック10,000点、20分間は10,000点のリバイが可能なトーナメントで、残り3,000点のまま追加購入する場合です。
チップが0のときだけ認める形式や、一定以下のスタックでのみ認める形式もあります。脱落後に新しい開始スタックで入り直すリエントリーとは別で、回数・チップ量・条件は必ずストラクチャーを確認します。
アドオン
決められた休憩時間やレベル終了時に、参加中のプレイヤーが参加費を払い、チップを追加できる仕組みです。例:最初の休憩で全員が10,000点を1回だけ追加できるトーナメントでは、残りスタックにかかわらず選べることがあります。
リバイと似ていますが、アドオンは『指定の時点に追加する』形が基本です。任意か必須か、チップ量、利用できる回数はトーナメントごとに異なります。
ターボ
ブラインドのレベル時間が通常より短く、進行の速いトーナメントです。たとえば通常30分に対してターボ10分などですが、時間や開始チップは会場ごとに異なります。さらに速い形式はハイパーターボとも呼ばれます。
短時間でブラインドが上がるため、チップを失わなくても残りBBが減り、ショートスタックで判断する場面が早く訪れます。例:20,000点はBB200なら100 BB、BB1,000なら20 BBです。
通常よりこまめに残りBBを確認し、浅くなったらスチール・リスチールやオールイン/フォールドの判断を重視します。セットやドローの完成を期待してコールする場合も、勝ったときに取れる残りチップが十分かを確認しましょう。
『ターボだから何でも参加』ではありません。同じスタック・位置・賞金状況なら判断の土台は共通で、バブル付近ではICMも重要。強いハンドだけを待ち続ける偏りと、焦って賭けすぎる偏りの両方を避けます。
レイトレジスト(レジスト)
トーナメント開始後も受付・参加できる期間のこと。締切後は新規参加できないため、案内の「Late Reg締切」と現在のBBを確認します。遅く参加するほどブラインドは上がり、開始スタックのBB数は少なくなることが多いです。
アベレージ
残りプレイヤー全員のチップ合計を人数で割った、平均スタックです。例:残り50人でチップ合計50万点ならアベレージは1万点。ただし、アベレージに近づけるために無理な勝負をする基準ではありません。現在のBB数、ポジション、入賞状況を优先して見ます。
バブル
入賞直前の「あと1人脱落すれば賞金が発生する」段階。例:上位15人が入賞で残り16人ならバブルです。カバーする側はプレッシャーをかけやすく、カバーされる側は際どいオールインコールの負担が大きくなります。
In the Money(ITM/インマネ)
トーナメントで賞金が支払われる順位に入り、入賞が確定した状態。たとえば上位15人が入賞する通常の形式で、残り15人になればインマネです。
バブルは入賞の一歩手前、ITMは入賞後です。参加費を上回る利益が出たという意味ではなく、受取額が参加費以下でもITMになることがあります。入賞後も順位が上がると受取額が増えるペイジャンプを意識します。
In the Prize(ITP/インプラ)
賞品・参加権などのプライズを受け取れる順位に入った状態を表す言い方です。国内のポーカーイベントなどで『インプラ』と呼ばれます。例:上位3人に次回イベントの参加権が贈られる形式で、その対象順位に入ること。
ITMは主に賞金への入賞、ITPはプライズへの入賞を表しますが、用語の使い分けは主催者によって異なります。入賞条件、受け取れるもの、その受取手順はイベントの案内を確認しましょう。
ハンドフォーハンド(H4H)
入賞直前などに、複数の卓が1ハンドずつ足並みをそろえて進行する方式です。先に終わった卓は次のハンドを配らず、全卓が終わるまで待ちます。卓ごとの進行速度による有利・不利を減らすのが目的です。
例:100人参加で15人入賞、残り16人になったところで開始。各卓が同時期に1ハンドを始め、終了した卓は待機します。同じハンドで複数人が脱落した場合の順位や賞金は、開始時のチップ量や会場ルールに従って判定されます。
TDAの推奨手順では、運営の告知後に現在のハンドを終えて待機し、H4H中もブラインドは上がります。オールインとコールが成立した場合は、運営の指示があるまでカードや次のボードを開かない運用があります。勝手に隣卓の結果を確認せず、ディーラーとフロアの案内を優先しましょう。
バブルファクター
トーナメントで、同じ額のチップを失う痛みが、増やす嬉しさの何倍になるかを表す考え方です。数が大いほどコールの必要勝率は上がります。例:残り4人・上位3人入賞で、自分35BB、首位40BB、他24BB・1.5BBのとき、首位との際どいオールインで負けると、浅いスタックが残っているのに自分が脱落することがあります。あと少しのチップエッジではコールしにく、必要勝率がチップEVより高くなるわけです。正確な値は全員のスタックと賞金配分から計算します。
チップリーダー
トーナメント全体で最も多くのチップを持つプレイヤー。同じ卓だけの首位は『テーブルのチップリーダー』です。バブルで相手の脱落リスクを圧力に使う考え方を『チップリーダーの特権』と表現することがありますが、正式な権利ではありません。この戦略は首位限定ではなく、残る相手全員を大きくカバーしていれば使えます。例:4人残り・3人入賞、BTN80 BBのo、SB8 BB、BB12 BB、CO40 BBはフォールド済み。弱いAでも、先にPushして2人を降ろす利益を狙う候補です。一方、後ろのBBが75 BBなら同じPushはしません。相手のコール傾向・全員のスタック・賞金状況で範囲を変えます。
ファイナルテーブル(FT)
トーナメントの最終テーブル。順位による賞金差や、他のプレイヤーのスタックを特に意識する場面です。
バウンティ
特定の相手を敗退させると獲得できる賞金。バウンティ付きトーナメントでは、通常のMTTとはオールインやコールの判断が変わることがあります。
期待値と勝率
EV(期待値)
Expected Value(期待値)。同じ条件で同じ判断を何度も繰り返したとき、1回あたり平均でどれくらい得・損をするかを示します。
例:半分の確率で10BB得て、半分で6BB失うなら、EVは0.5×10−0.5×6=+2BB。1回の結果が負けでも、よい判断だった可能性があります。
+EVは平均で利益、−EVは平均で損失。EVは勝つ確率そのものではありません。
チップEV・賞金EV
チップEV(cEV)は、平均で増減するチップを基準にした期待値。賞金EV($EV)は、最終的な賞金の期待値。入賞直前などでは、チップEVがプラスでも、賞金EVでは損になるアクションがあります。
ICM
Independent Chip Model。残り人数・各人のチップ・賞金配分から、スタックの賞金上の価値を評価するモデル。チップを増やす判断と、賞金の期待値を高める判断は必ずしも一致しません。
エクイティ(勝率)
Equity(エクイティ)。最後までカードを開いたと仮定したときに、平均で獲得できるポットの取り分。一般に「勝率」と呼びますが、厳密には引き分けで受け取る分も含みます。
例:1対1で勝つ確率40%、引き分け20%、負け40%なら、エクイティは40%+20%÷2=50%。相手のハンドやレンジによって変わり、利益額を示すEVとは別です。
フォールドエクイティ
Fold Equity。相手をフォールドさせることで得られる利益や有利さ。「相手を降ろして勝てる可能性」という意味でも使われます。
例:残り10BBでプッシュし、全員が降りれば、ショーダウンで勝つ必要なくブラインドとアンティを獲得できます。相手のフォールド率と関連しますが、通常の勝率にそのまま足す数字ではありません。
ポットオッズ・必要勝率
ポットオッズは、コールに必要な追加額と、獲得を狙うポットとの関係。以後の追加投資を無視した必要エクイティは「追加のコール額÷コール後のポット」です。
例:追加2BB、コール後のポット10BBなら20%。実戦では相手のレンジや、勝率を利益に変えられるかも考えます。
インプライドオッズ
今あるポットだけでなく、役が完成した後などに相手から追加で得られそうなチップも考えて、コールの採算を判断する考え方。将来の獲得額を考慮したポットオッズです。
例:ターンでドローを持ち、ポット10BBに相手が5BBをベット。今のポットだけなら、コールに必要な勝率は25%です。役が完成して勝つ確率を20%とする練習例では、それだけではコールは損になります。
ただし、完成したときに相手から平均10BBを追加で得られるなら、20%×(今のポット15BB+追加獲得10BB)−80%×コール額5BB=+1BBとなり、コールに利益が生まれます。ここでは、完成すれば必ず勝ち、外れれば追加投資せず負けると仮定しています。
注意点:完成しても相手が降りれば追加のチップは得られません。相手の支払う傾向と、エフェクティブスタックが十分かを確認します。「当たれば残り全部を取れる」と楽観しないことが大切です。完成しても上の役に負ける可能性も考えます。1対1で相手がすでにオールインしている場合は、追加獲得を見込めません。
フリップ
お互いの勝率が約50対50に近い勝負。特にプリフロップのオールインで、ポケットペア対それより高いランク2枚などの対決を『コインフリップ』と表現します。例:対。
厳密に50%ずつとは限らず、スートの組み合わせや具体的なハンドで数値は変わります。また、ほぼ互角に勝てても、コールがよいかはポットオッズやICMで変わります。
名前の似た『フロップ』は最初に開くボード3枚・そのラウンドのこと。『フリップ』とは別の用語です。
戦略と相手の傾向
GTO
Game Theory Optimalの略。ベット・チェック・コール・フォールドをレンジ全体で組み合わせ、相手に狙われやすい偏りを減らす戦略です。どんな役でも同じアクションをする意味ではありません。
よくある誤解:『全員がGTO通りに打たないと意味がない』。そうではありません。2人のゼロサムゲームの理想的な均衡戦略は、相手が戦略を変えても一方的につけ込まれない基準になります。ただし毎ハンド勝つ保証でも、どんな相手からも最大限に稼ぐ方法でもありません。多人数やレーキのある実戦へ、その保証をそのまま広げない点も大切です。
相手がコールしすぎると分かったら、ブラフを減らし、強いハンドで多く払ってもらう調整が有効です。これがエクスプロイト。相手の癖を読み違えるリスクもあるため、GTOを基準に、観察できた根拠に応じて調整します。
GTOを学ぶ良さは、相手が不明でも判断の土台を持てること、相手の偏りを見つけやすくなることです。PokerLiftのAIコーチはその原則を使った学習用の近似で、全局面の厳密な均衡解や混合頻度を計算するソルバーではありません。
ソルバー
設定した人数・スタック・サイズなどの条件で、戦略とその期待値を計算するソフトウェア。条件が変われば結果も変わります。
混合戦略
同じ状況・同じハンドで、複数のアクションを一定の割合で使い分ける戦略。例:コール50%・3bet50%。ソルバーが示す均衡頻度と、学習用に丸めた頻度や推論による推定配分は区別します。本教材では各表にその違いを明記しています。
Push or Fold
参加するならオールイン、参加しないならフォールドに絞る戦略。残り10BB前後の学習に役立ちますが、通常のレイズ・コール・リンプが有効な場面もあります。自分からプッシュする範囲と、相手のプッシュにコールする範囲は別です。
タイト・ルース
タイトは参加するハンドを絞る傾向、ルースは広く参加する傾向。広く参加する人でも、4betは強いハンドだけ、という場合があります。
アグレッシブ
ベットやレイズを比較的多く使い、自分からポットを取りにいくプレイ傾向です。強いハンドだけでなく、適切なドローやブラフでも圧力をかけます。単に大きく賭け続ける意味ではなく、レンジ・ポジション・相手に合わせてチェックやフォールドも選びます。タイト/ルースは参加するハンドの広さ、アグレッシブ/パッシブは参加後の積極性を表す別の軸です。
パッシブ
自分からベットやレイズするより、チェックやコールを比較的多く選ぶプレイ傾向です。チェックで相手のブラフを残す、コールでポットを抑えるなど適切な場面もあります。一方、習慣的に受け身になると、弱いハンドから取れるチップや相手をフォールドさせる機会を逃しやすくなります。タイト/ルースとは別の軸です。
ティルト
怒り・焦り・落胆などの感情で、普段の冷静な判断が崩れることです。大きく負けた直後に『取り返したい』と弱いハンドで無理なオールインをするのが一例。逆に、怖くなって降りすぎる形もあります。
一呼吸置き、残りBB・ポジション・相手のアクションを確認しましょう。必要ならハンド終了後に会場の手順に従って短く休憩し、暴言やカードを投げる行為は避けます。
相手に実際の偏りが見られればアジャストの機会です。コールしすぎるならバリュー重視でブラフを減らすなど、アクションに合わせます。怒って見えるだけで弱いとは決めつけず、挑発もしません。
トーナメント編『ティルトに注意』に、カード例と対処法をまとめています。
「取り返したい」だけで無理に参加するのはティルトの一例。一呼吸置き、条件から判断し直します。
バッドビート
大きく有利だったハンドが、その後のカードで逆転されて負けることです。どこからをバッドビートと呼ぶかに、厳密な勝率の境界はありません。
例:あなたが・、相手が・。ターンまでのボードは・・・で、あなたのAのセットが優勢です。しかしリバーで残るが出ると、相手のフォーカードに逆転されます。
珍しい負け方でも、直前の判断が悪かったとは限りません。『取り返そう』とティルトせず、結果と判断を分けて振り返りましょう。
左2枚があなた、右2枚が相手。
相手はKのセット。逆転できるカードは、残るK♥の1枚です。
相手はKのフォーカード。あなたのAフルハウスより強くなります。
コールステーション
弱いペアやドローでもコールを選びがちで、自分からのベットやレイズは少ないプレイヤーの俗称。単に1回コールした人を指す言葉ではありません。
対策は、相手を降ろすためのブラフを減らし、自分より弱いハンドからコールしてもらうバリューベットを重視すること。例:でボードがなら、・や8のペアでもコールする相手に、自分からベットしてチップを得る狙いがあります。
相手が大きめのベットにも弱いハンドでコールするなら、強いハンドでサイズを上げることも検討します。逆に、普段ほとんどレイズしない相手が大きくレイズしてきたときは、強いハンドの可能性を重く見ます。1回のアクションだけで決めつけず、実際の傾向を確認します。
タフコール(タフコーラー)
強いとは言い切れないハンドで、相手の大きなベットなどに対して行う、判断の難しいコール。そうしたコールをためらわず行う人を「タフコーラー」と呼ぶことがあります。
例:を持ち、リバーまでのボードが。ポット10BBに相手が10BBをベットし、Jのワンペアでコールする場面です。相手の強いハンドには負けますが、完成しなかったドローなどによるブラフには勝てます。
対策:相手が弱いハンドでもコールしすぎる傾向なら、ブラフを減らし、そのハンドより強いハンドでバリューベットを増やします。逆に、こちらのブラフが多い場面を見抜いてコールしているなら、ベットの範囲や頻度を見直します。「大きく打てば降りる」と決めつけないことが大切です。
タフコール自体が悪いプレイとは限りません。根拠のあるブラフへの対応と、根拠なくコールを重ねるコールステーションは区別します。1回ブラフを見抜かれただけで、相手をタフコーラーと決めつけないようにします。
MDF(最低ディフェンス頻度)
正式名称はMinimum Defense Frequency(最低ディフェンス頻度)。単純化した場面で、相手が「コールされたら必ず負けるピュアブラフ」を打つだけで利益を得られないよう、ベットを受けるレンジ全体のうち、フォールドせずに続ける割合の目安です。続けるアクションにはコールとレイズの両方を含みます。
計算は「ベット前のポット÷(ベット前のポット+相手のベット)」。リバーで2人が残り、ポット20 BBに10 BBのベットを受けた例では、20÷30=約67%です。同じ重みのハンドの組み合わせが30通りなら、20通りでコールかレイズ、10通りでフォールドするイメージです。毎回67%の確率で今のハンドをコールする、という意味ではありません。
なぜこの割合? 半分をフォールドすると、相手のピュアブラフは半分で20 BBを獲得し、半分で10 BBを失うため、平均では利益になります。フォールドを約33%に抑えると、その単純なブラフの利益は差し引きゼロになります。
必要勝率とは別です。同じ例のコール必要勝率は10÷(20+10+10)=25%。MDFは「レンジ全体でどれだけ続けるか」、必要勝率は「このハンドのコールが採算に合うか」を考えます。
これは相手のブラフがコールされると勝率0で、将来のベット・レーキ・ICMなどを考えないモデルの目安です。多人数やフロップ・ターン、レイズへの対応にはそのまま当てはめません。相手のブラフが少ないなら、MDFに合わせるためだけに弱いハンドでコールせず、相手に応じてフォールドを増やします。
オーバーフォールド
本来はコールやレイズを選ぶ価値のあるハンドまで、必要以上にフォールドすること。一般にはGTOなどの基準より降りる頻度が高すぎる状態を指し、相手にブラフで利益を得られやすくなります。
例:リバーで、ボードは。ポット10BBに相手が5BBをベットしました。引き分けがない場合、コールに必要な勝率は5÷(10+5+5)=25%。相手のベット範囲に40%勝てると正しく見積もれるなら、「負けるほうが多いから」と降りるのは利益を逃す判断です。40%は計算用の仮定で、このハンドやボードだけから決まる勝率ではありません。
注意点:降りすぎを恐れて、何でもコールするのも逆効果です。ブラフがほとんどない相手には、GTOより多くフォールドすることが有効な場合があります。ベット額・相手のハンドの範囲・ブラフの頻度を確認しましょう。
この25%は、リバーで追加のベットがなく、獲得チップを基準にした例です。フロップ・ターンではその後の展開も考え、入賞直前やFTでは賞金差・スタックによるICMの影響も考慮します。
テル
しぐさ・視線・話し方・アクションの速さなどから、ハンドの強さや意図が推測できる手がかり。
【相手を見るとき】普段との違いを観察します。例えば、いつもは静かな相手が大きくベットしたときだけ急に話し始める、強いハンドのときだけ相手のスタックを見る、といった変化です。すぐにコールする癖も手がかりになり得ますが、それだけでハンドは特定できません。ショーダウンで見えたハンドと照らし合わせ、同じ相手に繰り返し見られる傾向か確認します。
【自分が出さないために】のときだけすぐチップを持つ、弱いハンドで自分の番より前にカードを捨てる構えをする、ブラフのときだけチップを強く置く、といった癖に注意。ハンド確認やチップを置く動作をそろえ、必要な判断時間は取りつつ、不要に毎回長考することは避けます。
【注意】「目をそらした=ブラフ」「震えた=弱い」と決めつけません。緊張・体調・習慣や、意図的な演技でも同じ動きが出ます。まずポジション・レンジ・ベットの流れ・ポットオッズで考え、テルは補助情報として使います。
スロープレイ
強いハンドを持ちながら、すぐ大きくベット・レイズせず、チェックやコールで強さを隠して相手のベットや改善を待つ戦略です。例:フロップで非常に強い役ができ、相手のブラフを残すためチェックする場面。
常に有利とは限りません。無料で次のカードを見せると逆転されたり、取れるバリューを逃したりします。人数・ボード・相手の傾向から選びます。勝利が明らかな場面で公開などを意図的に遅らせる『スローロール』とは別です。
コミット(ポットコミット)
残りの追加負担が獲得できるポットに対して小さく、相手のレンジへの勝率が必要勝率を満たすため、残りチップを賭けて続けるのが合理的になる状態です。「たくさん払ったので、もう降りられない」という感情とは区別します。
例:2人の勝負で、ベット前のポットが8,000点、あなたの残りが1,000点。相手が1,000点をオールインし、自分も1,000点でコールすると、最終ポットは10,000点です。必要勝率は1,000÷10,000=10%。追加の賭け・レーキ・ICMがなく、想定レンジへの勝率を20%と見積もるなら、コールの期待値は0.20×9,000-0.80×1,000=+1,000点となります。勝率が5%なら-500点なので、残りが少なくてもフォールドが適切です。
すでに投入した額は取り戻せない過去の支出です。判断するのは、ここから追加する額と見込める利益。SPRが低いほどコミットを検討しやすくなりますが、「スタックの半分を入れた」「SPRが1未満」だけで確定はしません。
ベット前には、コールやレイズを受けた後のポットと残額まで考えます。複数人なら自分が争えるサイドポット、トーナメントならICMも確認し、ボードや相手のレンジが変わったら判断を見直します。
分散(バリアンス)
同じように良い判断をしていても、配られるカードや相手との組み合わせによって、短期の結果が大きく上下することです。統計では結果のばらつきの大きさを表します。
たとえば勝率80%のオールインでも、負ける確率は20%あります。同じ条件の独立した勝負で2回続けて負ける確率も4%あります。「5回やれば必ず4回勝つ」という意味ではなく、良い判断を続けても連敗は起こります。
上達しても分散はなくなりません。特にトーナメントでは、入賞できない回が続いたり、少数の大きな入賞に成績が左右されたりします。今後も分散を受け入れ、結果だけで判断を変えず、長い期間で振り返る姿勢が必要です。
受け入れることは、負けをすべて運のせいにすることではありません。ハンド履歴から、当時の情報・相手のレンジ・必要勝率・サイズを見直し、改善できる判断と避けられない結果を分けます。取り返そうとして参加を増やさず、集中が切れたら休むことも大切です。
チェックレンジ
ある場面でチェックを選ぶハンドの集まりです。弱いハンドだけでなく、ポットを抑えたいペアや、相手にベットさせたい強いハンドも含めます。
強いときに必ずベットし、弱いときだけチェックすると、相手はチェックに対して安心して攻められます。強いハンドの一部をチェックに残すと、チェック後のコールやチェックレイズで対抗でき、レンジ全体を守れます。これが「チェックレンジを強くする」という考え方です。
例:BBでを持ち、BTNのオープンにコール。K・7・2のレインボーボードでセットができてもチェックし、相手のCBを受けてコールやレイズを選ぶ候補があります。毎回スロープレイする意味ではありません。相手があまり打たないときや、無料のカードで逆転されやすいボードでは、自分から利益を取りに行く判断も必要です。
コールレンジ
特定のベットやレイズに対して、コールを選ぶハンドの集まりです。相手のポジション、ベット額、人数、残りスタック、入賞条件で変わります。
たとえばBTNで小さなオープンに応じる場合、中程度のポケットペアや一部のスーテッドハンドが候補になります。後からアクションできる利点があっても、後ろのSB・BBのスクイーズや、フロップ以降の支払いは残ります。
ポストフロップでは、勝っている可能性のあるペア、必要勝率を満たすドロー、相手のブラフを残したい強い役などを含めます。強い役をすべてレイズに回すとコールレンジが弱くなり、次のラウンドで攻められやすくなります。
相手がコールしたときも「どのハンドがこの額を払うか」を考えましょう。大きなベットへのコールでは強い候補が残りやすく、小さなベットなら弱いペアも残り得ます。コールだけで弱いハンドと決めつけないことが大切です。
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